画家の立ち位置
画家という職業は、芸術家の代表のようでとても憧れが強いものですが、日本においては歴史的に画家という職業が社会的に地位を高くしたという歴史が薄いため、国内で画家として活躍するのはごく少数です。
画家の仕事は、油絵や水彩画などの絵を描き、それを販売すること。
絵を描くということは道具さえあれば誰にでもできますが、その絵を高い金銭を払ってでも購入したいと思う人がいるかどうかというと、必ずしもそうとは限らないため、社会的需要はかなり低くなってしまいます。
また、日本国内に限らず海外においても、ただ描いただけの絵を高く買い取ってもらうということは少なくなっています。
ただ、そうした画家としての人生が厳しいというのは今に始まったわけではなく、ゴッホのように生前はほとんど無名であったような画家が亡くなったあとに絵画買取などで高い評価を得るという例もあるのです。
ただ金銭を稼ぐという職業ではなく、後々の誰かの人生に影響を与えたいという信念も必要なのかもしれません。
画家としての活動
画家として生活をしている人は、実際に作品を売買するだけで生計を立てているわけではありません。
作品を公表し、場合によっては有名なコンクールで入賞をした経験があるという画家でも、生計を立てるために美術関連の教室を開いているというのが一般的です。
作品を高い金額を払って購入したいという人は少なくなっていますが、反面で自分でも絵を描きたいと考える人は増えてきていますので、そうした人のための絵画教室の需要はかなり高いでしょう。
習う側からしても、全く知らない講師の人よりも有名な画家の先生につきたいと思うはずですし、コンクールで名前を売ってそこから生徒を集めるというのが多いです。
近年では、デジタルアートも絵画のための一般的な手法となっているので、キャンバスなどに書き込むタイプの絵画制作ではなく、PCなどを使ってデジタルアート作品を作るための技術も重要となってきます。
海外での活動
是非についてはともかく、日本という国は芸術家という職業についてあまり社会的な地位を高く扱う文化がありません。
そのため日本国内で発表をした作品がいまいちの評価であっても、同じものを海外で発表をしたら大人気になったというようなこともよくあります。
そうした事情からあえて日本では芸術活動をせず、画家の社会的な地位が高い国へ移住をするという人も多く見られています。
残念なことではありますが、優れた画家ほど日本国内での評価に不満をもち海外に活躍の場を求めるというのが現状です。