まずは教員免許を取得してから
小学校で行う科目の一つである図工ですが、これは特に専門の資格が必要というわけではありません。
日本における教員資格では小学校は科目別ではとられていないため、図工だけの教員になることはできないのです。
つまり小学校で図工の授業をするためには、事前に小学校教諭の免許を取得してから公立・私立の小学校の採用試験を受けて合格をする必要があるということです。
なのでこれから先生を目指すという人は大学に入学して小学校教諭になるための教職課程をとり、教育実習など必要な単位をすべて取得したのちに教員免許試験を受験します。
ただ小学校の教員といっても教育学部でなければ受験ができないというわけではなく、別の専門の学部学科であっても取得を目指すことができます。
現在美術系の学部に進学をしているという人も、卒業のために必要な単位とは別に教職課程をとることで小学校の先生として教鞭をとることができます。
それほど全体数としては多くはありませんが、そうした美術系の学部出身の小学校教諭も中にはおり、そうした人が小学校における図工の授業の質を高くしてくれています。
就職をした小学校においてはどういった先生がどの授業を担当するかはそれおれの事情によるところがあるため、美術系大学出身の先生は図工の授業を専門に行うということも多いようです。
小学校における図工の授業とは
最近では早期教育を行う保護者の方も増えてきていますので、ともすると小学生の頃から中学受験のための勉強を本格的に行うという子供も多くいます。
受験のための勉強ということになると、いわゆる5教科が中心となり図工はあまり重要には思われないということもよくあります。
しかし図工の授業において小学校の学習指導要領で求められているのは「思考力・判断力・表現力」をとうということであり、それが自分自身への自信を深めるということにもつながっていくということになっています。
残念なことに実際に教育の現場に身を置く小学校教諭という立場の人でさえ、図工という授業をあまり重要とは考えていない人も多く、若い教員になったばかりの人が担当する授業というような位置づけになっていることもよくあります。
そういった意味でアート系の仕事を目指す中で図工の先生になることを目指す人というのは大変に貴重な存在であるというふうにも言えます。
コンクールに入賞することだけではなく
もう一つ小学校における図工の授業について書いておくと、どうしても日本における教育においては「成果主義」が重要視される傾向にあるため、図工の授業においても何らかの賞に応募してそこでよい成績をおさめることが授業の目的であるかのような価値観を持たれることもあります。
確かにコンクールで入賞することは誇らしいことではありますが、すべての生徒が入賞をするために図工の授業を受けるというようでは教育的な視点では好ましくありません。
現在アート系の学校に通っていて、教員になりたいということならそうした幼児教育における芸術の重要性についてしっかりと意識をして行うということが今後重要になってくるのではないかと思われます。